1.CTP印刷とは…
コンピュータ トゥ プレート(Computer to Plate)の略で、デジタルダイレクトプレートセッター(製版機)のことです。場合によってはプレートそのものを指すこともあります。CTPは以下の3種類に大別されます。
1)に紙ベース版を版材とするレーザープリンタやインクリボンプリンタ
2)ポリエステル版を版材とするフレキシブルCTPセッター
3)アルミプレートを版材とするレーザーイメージング技術を応用したアルミCTPセッター
この中で近年CTP、CTPと騒がれているのが、3)のアルミCTPです。アルミCTP自体は決して新しい技術ではありませんが、DRUPA’95で価格、品質、生産性ともに実用に耐えうるレベルに達した製品が登場しました。その後、多くのメーカーがCTP市場に続々と参入し、低価格、高品質化、高速化が現在もなお続いています。DRUPA’95当時、菊全判クラスで時間当りの出力数は8版がやっと、といったところでしたが、現在では時間あたりの出力数20版以上と、僅か7年間で約3倍のスピードとなりました。機械価格・プレート価格においては、この7年間でともに半値以下となり、設備対象として大いに魅力的なものとなりました。2001年度の国内設置台数は菊全判、菊半裁判クラスを併せて約370台と報告されています。
2. CTPのメリット…
製品の完成度、値ごろ感はもちろんのことですが、新たに設備をする以上、従来のアナログによる工程に比べてどのような具体的メリットがあるのでしょうか。
1)カラーマネージメントを始め、デジタルによる印刷品質の管理を可能にする
2)製版・刷版工程の短縮による納期短縮とそれに伴う物的・人的コストの軽減
3)ダイレクト刷版による品質の向上
4)見当精度の向上によるヤレ紙の軽減
5)多品種・小ロットへの対応
6)生産性・瞬発力の向上
7)デジタルデータによる置版(従来置版の保管スペースを有効に利用)等が挙げられます。
3. CTPのデメリット
一方ではデメリットもあります。
1)アナログからデジタルに移行する過程での混乱
現場のオペレータの方が今まで積み上げてきたアナログ的技術を大きくデジタル技術へ移行しなけ
ればなりません。周到な準備が必要になります。
2)フィルムによる検版・校正作業のデジタル化
従来のような、フィルムを使ったケミカルプルーフから、色校・外校を本機校正やDDCP(ダイレク
ト・デジタル・カラー・プルーフ Direct Digital Color Proof)に移行し、デジタルによるカラーネー
ジメントを構築しなければなりません。このデメリットの解消は主に社内の運用改革にかかってお
り、デジタル化・CTP化をスムーズに行うための旗振り役の存在が必須となります。
すべての印刷物の中で「短納期」と言われる物は年を追う毎にその比率が増えています。言い換えと印刷業は他の製造業と異なり、容易には海外移転(東南アジア、中国等)が進まないことを意味します。短納期に対応するにはCTPを核とするカラーマネージメント、ワークフローのデジタル化が有力な手段になります。
東京都印刷工業組合「分かったつもりの印刷用語」より
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